お金のプロ直伝。始めなきゃ損かも?!「ワンコインから始める投資術」
投資と聞くと、「初心者には難しそう…」と尻込みしていませんか? そんな投資初心者でも挑戦しやすいのが「ワンコインからできる投資」です。そこで、少額で始める投資のメリットやデメリット、購入方法などをお金のプロにうかがいました。
この方にお聞きしました
山口京子さん
ファイナンシャルプランナー。フリーアナウンサーとして活躍後、お金好きが高じてファイナンシャルプランナーの資格取得。執筆やメディア出演、セミナー等で活動。著書に「なまけものが得をする ワンコインつみたて投資術 」など。
投資は100円から始められる!
――ワンコインからできる投資とはどんなものなのでしょうか?
山口 文字通り100円から始められる積立て型の「少額投資」で、手軽に買えることから投資初心者にも人気です。投資と聞くと大金を使って株をドーンと買うようなイメージがあると思いますが、積立投資なら資金がなくても大丈夫。コーヒー1杯分の金額を投資に回してみようかな…というくらいの気持ちで始めることができます。
投資は、コーヒー1杯の金額からスタートできます。
――積立て投資とは?
山口 自分が決めた金額で定期的に金融商品を購入するもので、継続的に続けるのが基本。積立投資の中でも初めての人におすすめなのは投資信託です。投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券に投資・運用する商品です。わかりやすく言えば投資の「福袋」のようなものでしょうか。プロが選んだ商品が詰め合されていて、分散することでリスクも低く抑えられています。
――どの商品を買ったらいいのかわからない時はどうしたらいいのでしょうか?
山口 証券会社の担当者やAIが、投資する人の年齢や年収、投資に対する考え方をヒアリングして、その人にとって最適な組み合わせを提案してくれます。最近は「ロボアドバイザー」という大変優秀なAIのシステムがあるので、ネットでも簡単に投資のシミュレーションができます。
――毎月の積立金額は自分で設定できるのですか?
山口 はい、できます。100円からできますし、1万円でも10万円でも自分で自由に決められます。積立て投資は長期で行うことが前提なので、金額が少なくても5年、10年と続ければある程度のリターンも期待できます。
――積み立てたお金が株価の変動で減ってしまうことはないのでしょうか?
山口 自分が投資した金額よりも減ってしまうことを「元本割れ」といいますが、投資の場合、どんな商品でも元本割れのリスクはあります。ひとつの商品を一度に買う「一括投資」は金融商品の値動きと運用が同じになりますが、積立て投資は、買う時間を分散するので、株価が下がった時は、たくさん買えるので下落時はチャンスとも言えます。一時的に減ることはあっても、長期運用であればリスクは少ないです。
「ワンコインからできる投資」は経済の知識がない人におすすめ
――株価の変動などを考えると「投資」は不安だな、という人も多いと思います。
山口 投資が怖いと思ってしまうのは、毎日発表されている日経平均の株価の変動などを目にしているからだと思います。でも、株価に限らず市場の商品の値段は常に変動していますよね。
例えば、食材も天候や獲れ高などの影響で価格は一定ではありません。かといって、高値が続くこともないし、安値で安定するということもありません。株価も同じで、ずっと低いままということは考えにくいと思います。どの商品を買うかにもよりますが、この先もテクノロジーは進化していきますし、交通機関や電力など生活に必要なものはなくならない。そう考えると、そういった企業の株価は上がる可能性の方が高いのです。
――昨年はコロナウイルスの影響で株価が下がった時期もありましたよね。
山口 2020年3月には株価が1万9,000円を割り、大きな話題になりましたが、現在は2万9,000円台になる日も多く、回復傾向です。この先も、社会情勢や災害によって株価の変動はあると思いますが、長いスパンで考えると全体は右肩上がりになる可能性が高いでしょう。
ただ、商品によっては影響を大きく受けるものもあるので、投資信託のような複数の商品が組み合わさったものの方が安心ということになると思います。
――ワンコインからできる投資は「長期」が基本ということですが、途中でもやめることはできますか?
山口 定期預金とは違うのでいつでも好きな時に初めて、好きなときにやめることができます。ただ、株価が一時的に下落して心配になってやめてしまうのはあまりおすすめできません。その後に回復する可能性も大きいので、3年、5年と続けることが大切です。
積立て型の場合、毎月一定額で株を買い続けているので、必ず株の数は増えていきます。株の価値が低くなった時に手放ししてしまうと損なので、株の数を増やして価値が上がるのを待つ、という考え方です。
――積立て投資をしたら、どれくらいお金が増えるのでしょうか?
山口 長期の積立て投資でどんな変化があるのか、日経平均株価に毎月1万円ずつ、30年間投資した場合のシミュレーションをしてみましょう。
「日経平均株価」とは東証一部に上場する企業の中から、日本経済新聞社が選定した225社の株価の平均。業種のバランスや流動性など考えて選んでいます。今回は仮に、この225社の株が詰め合された投資信託に投資したらどうなるか…というシミュレーションだと思ってください。
1989年~2019年まで毎月1万円ずつ、30年間積立投資をした想定です。投資金額360万円に対して577万469円になりました。およそ1.6倍になっていますね。バブル崩壊の影響もあり、2013年まではほぼマイナスでしたがそれでも結果的にはプラスになっています。
各証券会社のサイトでもシミュレーションできるので、興味が沸いた方はそちらでチェックしてみてください。
――投資の方が預金よりも、お得感がある気がします。
山口 そうですね。現状では定期預金でも金利0.002%程度。つまり預けておいてもほとんど増えないということです。投資はリスクがゼロではないので、必ず増えるとは断言できませんが、私の経験からも将来のための運用という考え方は必要だと思います。コーヒー1杯分で投資を始めてみたら、お小遣い程度は増える可能性が大きいですし、経済の仕組みを知るのにも役立ちますので、ぜひ、挑戦してみてほしいですね。
「ワンコインから始められる投資」おすすめ商品は?
――いざ投資を始めたいと思ったらどうすればいいのでしょうか?
山口 以前なら証券会社の窓口に行って説明を聞いたり、本人確認書類を用意したり、書類に押印したり、とやることがたくさんでしたが、今はスマホから簡単に申し込みができます。口座開設のために必要な本人確認書類はマイナンバーカードなどを撮影し、アップロードすればOKです。どんな商品を買うのは、先ほどお話した「ロボアド」などでシミュレーションしながら決められます。
――積み立て金額はいくらから始めたらよいでしょうか? 初心者でも始めやすい商品は?
山口 金額は収入の1割~4割が目安と言われていますが、まずは無理のない金額から始めるといいと思います。初心者の方におすすめの証券会社や商品をいくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。
●ワンコイン投資【LINEスマート投資】
LINEアプリから気軽にアクセスできるのが魅力。超初心者には500円からできる「ワンコイン投資」が、おすすめ。全自動で運用しれくれますし、商品はひとつで、値動きの少ない世界中の資産に分散投資できるおまかせのみ。オリジナルキャラクターのフレンチブルドッグもかわいらしく、投資が身近に感じられます。
●しっかり増やしたいなら【松井証券】
100円から積立てが可能。投資工房というロボアドバイザーが手数料が低く、自分に合った商品を選んで予測もしてくれます。株も1カ月50万円までの取引なら手数料は無料です。
●ズボラさんにおすすめ 【トラノコ】
毎日の買い物のおつりを自動で投資に回せる「おつりで投資」が人気です。あらかじめ設定しておいた金額と毎回のクレジットカードでの差額分が、月に一度自動的に銀行から引き落とされ、世界中の株や債券に分散投資される仕組みです。nanacoポイントやANAマイルなどでも投資できます。
-----------
資金運用…なんて自分には関係ないと思っている人も、投資を始めることでお金への意識も高まるとか。お小遣いくらい増えたらいいな…という人は、一度挑戦してみてもいいかもしれませんよ。
\投資を始めたい人のための、わかりやすいガイドブック/
\山口京子さんに聞いた お金が貯まるミニ財布活用術/
※記事の情報は2029年4月6日時点のものです。
- 1現在のページ