猫の映画おすすめ5選！ 猫好き映画ライター厳選の名作をご紹介します

好きな猫登場映画は『奇跡の旅』（犬も出ます）、ライターのISOです。

みなさん、猫が好きですよね。あのつぶらな瞳、もふもふした毛並み、時々抜けるヒゲ、ピンとした耳、丸くなったり溶けたりする身体、機嫌むき出しの尻尾、お布団みたいな匂い、究極のヒーリングゴロゴロ音…。猫の可愛さは枚挙にいとまがありません。猫動画を漁っていたら気付けば数時間経っていたなんて経験もあることでしょう。

そこで今回はNetflixとPrime Video（アマプラ）で視聴可能な、猫がたっぷり登場する映画をご紹介！　愛猫家は観ているだけで心が解ける至福の作品を揃えました。画面の向こうで頑張ったり、のんびりしたりする猫の姿を観て、日頃の疲れを癒していきましょう。

監督：ジェイダ・トルン
2016年／アメリカ／79分／ドキュメンタリー

猫の楽園へようこそ

【あらすじ】
ヨーロッパとアジアを繋ぐ地として、古くから貿易で栄えてきた古都イスタンブール。街ぐるみで野良猫の面倒を見るこの街で、見た目も性格もまったく違う7匹の猫の生活が今日も始まる。

茶白のサリは子供たちにエサを与えるため街を探索する。甘え上手で撫でられるのが大好きなキジトラ・ベンギュは近所の人々を癒すアイドルに。「小さなライオン」ことハチワレのアスランは、海辺のレストラン付近で毎夜ネズミ退治の仕事に勤しむ。独占欲が強く夫を尻に敷くのは恐れ知らずのメス猫・サイコパス。白サバのデニスは自由奔放な市場の看板猫で、ミルク大好きなガムシズは人たらしの頑固者。そして、デリカテッセンの常連・デュマンはその礼儀正しさで店員たちから愛されている。だが都市開発が進み、猫たちの生活にも影響が…。

【おすすめポイント】
愛猫家なら誰しもが憧れる「猫の楽園」イスタンブールに暮らす野良猫たちの生活を、カメラは彼らと同じ地上10cmの視点で追いかけます。そこで見えてくるのは街の住民と猫たちの不思議なつながり。野良猫らしく自由を謳歌しながらも、気ままに住民たちと遊んだり、甘えたり、助け合ったり。十人十色の個性を持つ猫たちの、時に愛らしく、時に勇ましい姿は正に眼福です。猫目線で眺めるイスタンブールの文化や人々の営みも魅力的。猫との共生が人生にもたらす喜びを活き活きと捉えた、猫愛溢れるドキュメンタリーです。

監督：マーク・フォースター
出演：トム・ハンクス、マリアナ・トレビーニョ、マヌエル・ガルシア＝ルルフォ ほか
2022年／アメリカ／127分／ドラマ

 頑固親父の心を開くことはできるのか

【あらすじ】
堅物で無愛想、口うるさく野良猫にすら冷たい。そんな町内一の嫌われ者・オットー（トム・ハンクス）。最愛の妻ソーニャに先立たれ、生き甲斐の仕事も定年で失った彼は、天井から吊るしたロープで自らの人生を終わらせようとしていた。しかし向かいに越してきた女性マリソル（マリアナ・トレビーニョ）とその一家によって、その計画は未遂に終わる。その後も陽気でお節介なマリソルや近隣住民の頼み事や誘いを断りきれず、幾度も自殺は失敗。おまけになぜか野良猫（シュメーグル）の面倒まで見ることに。マリソルや近隣住民と交流を深める中で、オットーの決意は次第に揺らいでいき…。

【おすすめポイント】
スウェーデンで記録的な大ヒットを飛ばした『幸せなひとりぼっち』を、『プーと大人になった僕』などで知られるマーク・フォースター監督がリメイク。すべてを失い人生に絶望した孤独な老人が、個性豊かな隣人(猫)たちとの交流を通じ生きる活力を取り戻していく過程が温かく、涙を誘う感動作です。

若い頃のオットーを演じるのはトム・ハンクスの息子で、今作が映画デビューとなるトルーマン・ハンクス。親子揃っての名演にも要注目！　また近隣住民と共にオットーの心を解かす役割を担った毛長猫を演じるシュメーグルの名演も見どころの一つ。人懐っこく聡明なその姿は、オットーだけでなく観客までメロメロにします。

監督：今泉力哉
出演：山本奈衣瑠、毎熊克哉、手島実優、井之脇海 ほか
2021年／日本／109分／恋愛／R15+

猫が繋ぐ奇妙な四角関係

【あらすじ】
漫画家の亜子（山本奈衣瑠）と週刊誌記者の広重（毎熊克哉）は、冷え切った夫婦関係を終わらせるため離婚しようとするも、飼い猫カンタ（オセロ）をどちらが引き取るかで揉め、なかなか話が前進しない。広重の同僚で不倫相手の真実子（手島実優）は二人の関係に苛立ち、「いつ別れるのか」と彼に迫る。一方の亜子も、自宅を訪れる編集者の松山（井之脇海）と密かに情事を重ねるのだった。

そんなドロドロな飼い主たちの関係などつゆ知らず、カンタは日々気ままにデートや散歩を楽しんでいた。しかしある日、カンタは忽然と姿を消してしまう。どこを探しても見つからないカンタだが、その失踪には思わぬ真相が。そして思わぬ形で4人の運命が交差する…。

【おすすめポイント】
今泉力哉が監督、城定秀夫が脚本という気鋭の映画作家2人がタッグを組んだ、だらしない大人たちのラブストーリー。不貞を働く4人のすれ違いが、今泉監督らしいオフビートかつゆったりとした空気感で描かれます。泥沼な物語なのに味わいは軽やかで、ラストには爽快感すら覚えるのが不思議なところ。W不倫という特殊な恋愛模様の果てに芽生える奇妙な関係、そこで交わされる会話のシュールさに思わず笑いが込み上げます。

物語の中心となるハチワレ猫・カンタを演じるオセロがとにかくキュート。ドロドロの四角関係に清涼剤効果をもたらす名演に注目です。

監督： ジョエル・クローフォード
声優：アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、オリヴィア・コールマン ほか
2022年／アメリカ／104分／アドベンチャー

最後の命をどう使うか

【あらすじ】
トレードマークは長ぐつと羽根つき帽子、そしてつぶらな瞳。お尋ね者の賞金首ネコ、プス（アントニオ・バンデラス）は独り気ままに大冒険を繰り広げていたが、ある日巨人との戦いの末に命を落としてしまう。ネコには9つの命があるから大丈夫と安心したのも束の間。残る命はあと1つになっていたことに気付くのだった。

残忍な賞金稼ぎに襲われ、はじめて死の恐怖を味わったプスは、冒険から足を洗うことを決意。平和な生活を求め飼い猫になるが、そこでどんな願いも叶えてくれる「願い星」の存在を知り、再び旅に出ることに。道中で猫に変装した犬のワンコ（ハーヴィー・ギレン）と、気まずい関係の元カノ・キティ（サルマ・ハエック）と仲間になるが、彼らの旅路は困難を極め…。

【おすすめポイント】
見所はなんといってもドリームワークス・アニメーションの新境地となる映像表現！　CGと手書きをミックスしたようなタッチで、空間を自由自在に駆け回る驚異のアクションには驚愕。冒頭からテンションはフルスロットルで、ダレることなく最後まで駆け抜けます。

笑いあり涙ありの丁寧な脚本も非常に秀逸。痛みやトラウマと向き合うことに焦点を置いた深みのある物語で、子供はもちろん大人も満足させる一作です。プスとワンコを中心に、キャラクターの可愛さも100点満点。2011年の映画『長ぐつをはいたネコ』の続編ですが、前作未見でもまったく問題ありません。

監督：アンディ・ミッチェル
2022年／アメリカ／67分／ドキュメンタリー

猫の謎を解き明かせ！

【あらすじ】
犬と比肩する身近なペットでありながら、自由な性格からその心を読み解くのが難しい存在である猫。これまで犬と比べて大幅に遅れているとされていた猫の研究が、近年爆発的に進み、多くのことが判明してきた。少なくとも1万年前から人間と友好関係を結んできたとされる猫の歴史、その知性や社会性、身体のしくみと運動能力の関係性など、猫に関するあらゆることを猫の研究者たちが解説する。

猫は自分の名前を判断できる？　猫の能力を引き出すための方法とは？　猫と仲良くするための秘訣って？　さまざまな角度から明らかになっていく猫の本心とは…。

【おすすめポイント】
謎多き存在・猫のあれやこれやを科学的に明らかにしてくれる、猫好きによる猫好きのためのドキュメンタリーです。愛猫家にとってはお馴染みの情報もありますが、猫のゴロゴロ音と人の赤ちゃんの泣き声の周波数は同じ、猫に国民性があるなどといった驚愕の事実も！

日本は「猫革命の震源地」とされ、世界最高峰の猫学者もいるんだそう。そんな博識者たちもみな膝に猫を乗せて知識を披露しているのがなんとも微笑ましい。驚きの技を披露してくれる芸達者な猫たちをはじめ、画面にはいつも猫がいるので癒し効果も抜群。

猫を飼おうか悩んでいる人には特におすすめ。飼う前に猫の情報をたっぷり知ることができます。ただし観たら間違いなく猫と暮らしたくなりますが。

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猫が登場する映画は数あれど、今回はとりわけ猫成分の濃い作品に絞って紹介しました。これらの作品を観ればこれまで以上に猫が大好きになること間違いなし！　その可愛さで心を満たしてもらえれば幸いです。

※記事の情報は2024年2月2日時点のものです。