サウナ女子入門編。ゼロから始める「ととのい方」「マナー」とは?

あれこれ悩んでいたことが、気にならなくなる。時間があると「サウナに行きた~い!」とウズウズしてくる。サウナには体験しないとわからない魅力がたくさんあります。サウナ愛好家の岩田リョウコさんに、サウナを楽しむ極意をうかがいました。

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この方にお聞きしました

岩田リョウコさん

文筆家、イラストレーター。コロラド大学大学院東アジア言語文明学科卒。2009年から外務省専門調査員として在シアトル総領事館勤務。在米中に出版した『COFFEE GIVES ME SUPERPOWERS』がベストセラーとなり世界5ヵ国で翻訳出版されている。サウナ愛好家でもあり、フィンランド政府観光局サウナアンバサダーに任命されている。著書に『週末フィンランド』『エンジョイ!クラフトビール』『コーヒーがないと生きていけない!』『HAVE A GOOD SAUNA!』『ちょっとサウナ行ってきます こうあるべきを脱ぎ捨てて、明日がもっと軽くなる』がある。

岩田リョウコさん

サウナに行った後は、悩んでいたのに「まあいっかぁ」という気持ちになる

アロマ、お風呂、マッサージ…。からだを癒したり元気になる方法は他にもあるのに、サウナに行きたくなるのはなぜ? まずは、岩田さんにサウナに行くとどんないいことが起こるか聞いてきました。

――岩田さんが「サウナに行きたい!」って思うのは、どんな時ですか?

岩田 特に行きたいと思うのは、イライラした時や落ち込んだとき。そして、天気が悪い日ですね。天気が悪い日にどうしてサウナに行きたくなるんだろうと思って、サウナの本を書いたときに自律神経の名医である順天堂大学医学部の小林弘幸教授に質問してみたら、「悪天候の日は自律神経が乱れやすくなりますが、サウナに行くと自律神経のバランスがととのうから自然と行きたくなるんですよ」と教えてくれました。

\悪天候と自律神経の関係は?/

――サウナに行くと、どんないいことが起こる?

岩田 サウナに行ってすぐわかるのは、こころの変化です。サウナに行く前はあれこれ悩んでいたのに、サウナから出て下駄箱にいる頃には「まあっいいかぁ」って感じになる。「陰」で入って「陽」で出てくるから、入る前と後では気持ちが全然違うんです。

――著書のなかで、「サウナは元の自分に戻れる場所」とおっしゃっていますね。

岩田 サウナで気持ちが良くなることを「ととのう」と言いますが、私の場合は「戻す」という感じですね。イライラやネガティブな気持ちを赤ちゃんの時のようにストレスのない状態に戻してくれる場所だと思っています。

――からだの変化はありますか?

岩田 サウナに入ると健康になる、冷え性が改善するとか言われていますが、正直なところからだの変化は半年や1年くらいかかると思っています。私はもともと超絶冷え性で、夏も靴下を履いていないと足が氷みたいになるほどだったんですが、サウナに行くようになって半年くらいたった頃に「なんとなく、からだがぽかぽかするな」と感じ始めて、今では短パンに靴下なしでも寝られるようになっています。

塩っぽい、苦みがある。汗の味や量でからだの変化を知る

――サウナに行くようになって、からだのバイオリズムがわかるようになったそうですね。

岩田 サウナに行くようになってから排卵や生理がくるタイミングなど、自分のバイオリズムがわかるようになりました。日によっては汗をかく時間が早くなったり遅くなったりしますし、汗をなめてみると塩っぽい日や苦い日があります。「今日は絶好調!」と思いながらサウナに入ったのに3分できつくなったり、体調、天気などで感じ方が違うため「今日の体調はどんな感じ?」というように、サウナは自分のからだと向き合える場所でもあります。私も、サウナに行くようになって自分のからだの変化に対して敏感になりました。

サウナ女子入門編。初めてのサウナ、7つのギモン

サウナの入り方の基本は、サウナ→水風呂→外気浴で1セット。サウナと水風呂の温冷刺激で脳からセロトニンやオキシトシンなどの「幸せホルモン」が出てきて、外気浴で休憩しているうちに多幸感で心が満たされる。これがサウナの醍醐味です。  

サウナの入り方


サウナの気持ち良さを体感したいけれど、マナーや施設の選び方など知りたいことがたくさんあります。そこで、色んなギモンについて岩田さんに教えていただきました。

Q1.不慣れなビギナーはどんなサウナに行ったら良いでしょうか?
Q2.サウナを利用するとき、最低限守るべきマナーはありますか?
Q3.サウナに持って行った方が良いグッズはありますか?
Q4.「ととのう」ってどういうこと? 
Q5.「水風呂」が苦手です。ととのうためには、水風呂は必要ですか?
Q6.「外気浴」のスペースがない時、岩田さんはどうされていますか? 
Q7.サウナ前後の飲食で注意した方が良いことは?

Q1.不慣れなビギナーはどんなサウナに行ったら良いでしょうか?

岩田 サウナに目覚めた最初の施設のことを「産湯(うぶゆ)」と言いますが、産湯で良い経験をするのがサウナに行き続ける秘訣でもあります。「ルールがあるの?」「このやり方は正しいの?」と心配している時点でととのわないですから、初めてのサウナはスーパー銭湯が良いと思います。スーパー銭湯なら初心者からサウナ好きまで色んな人がいて緊張する必要がないですし、かなりの確率でサウナ、水風呂、外気浴がそろっています。サウナが気に入らなかったら、お風呂と食事だけでも十分楽しめます。

サウナ施設も良いですが、2,000円を超えてしまうくらい金額が高い。銭湯は安いけれど、地元の主が勝手にルールを作っていることもあって初心者のハードルは高めです。最近は女性専用の完全個室サウナもあり、周りの目を気にすることなくひとりだけの空間でサウナの作法を知ることができますので、そういった場所を「産湯」にするのも良いと思います。

\「産湯」選びの参考書/
『HAVE A GOOD SAUNA! 休日ふらりとサウナ旅』
「初めてのサウナで良い経験をして欲しい」という思いが詰まった岩田さんの本。日本全国のサウナを巡ってみつけた、岩田さんおすすめのサウナが37か所紹介されています。

 

 

\「産湯」選びの参考サイト/
サウナを利用した人たちが全国の施設を紹介するサウナの検索サイト「サウナイキタイ」も「産湯」選びの参考になります。
サウナイキタイ▶

Q2.サウナを利用するとき、最低限守るべきマナーはありますか?

岩田 汗だくの人が入った水風呂に入るのは嫌ですし、湯船に髪の毛が浮かんでいるのも不快ですよね。髪が長い人は結び、水風呂に入る前は必ずかけ湯をします。そして、サウナで腰掛ける時はサウナマットを必ず使ってください。からだを守るという意味でも木に直接座るのは避け、サウナマットの上にタオルを敷いて座ります。サウナマットはサウナの横に置いてあったり、あらかじめ木の上に敷いてある場合があります。 友だちと一緒にサウナに入る場合は、室内での会話が禁止されている場合がありますので、注意書きを確認しておきましょう。

使用した後は水洗いをして元の場所に戻します。
サウナマットは、使用後に水洗いをして元の場所に戻します。

Q3.サウナに持って行った方が良いグッズはありますか?

岩田 私は手ぶらで行っています。タオルは施設でレンタルや購入できますし、スーパー銭湯やサウナ施設でしたらボディソープ、シャンプー、スキンケア製品など全て用意されています。(髪が長い人は)髪の毛をしばるゴム、銭湯ではドライヤーにお金がかかることがあるので小銭があれば安心ですね。

\洗い流さないトリートメントでヘアパック/
岩田 サウナで髪の乾燥が気になる人は、洗い流さないトリートメントを髪に塗ってタオルを巻いて入ると、熱でトリートメントがしっかり浸透して髪の毛がツルッツルになりますよ。

Q4.「ととのう」ってどういうこと? 

岩田 ここ数年でトリップ体験みたいなイメージがついてしまっていますが、「気持ちいい~」と感じたら、ととのっている証拠です。

――「ととのう」ためには、サウナに何分くらい入るのがいいのでしょうか?

岩田 サウナの設定温度が80℃と110℃では、からだが温まる時間が違います。時間にしばられて入ってしまうと、からだが温まらいうちに出ることもありますので、私は鼓動が早くなってきたらサウナから出るようにしています。

――「サウナ+水風呂+外気浴」で1セットと言われますが。何セットくらいで「ととのう」ものなのでしょうか?

岩田 1セット目からすごく気持ちよくなるときもあれば、3セット目でようやく調子が良くなることもあります。その日の体調によって違うので、サウナ歴6年の私でも入るまではわかりません。サウナに通っていると、これくらいなら調子いいというのがだんだんわかってきます。

Q5.「水風呂」が苦手です。ととのうためには、水風呂は必要ですか?

岩田 サウナでしっかり温まり、水風呂でからだを冷やさなければ「ととのい」を感じることができません。実のところ水風呂は主役級。水風呂の良さがわかると、サウナに入っていても水風呂のことばかり考えるようになります。サウナで「水が飲みたーい。水に入りたーい!」というくらまでからだを熱くしてから水風呂に入ると、すごく気持ち良くなります。

水風呂に入る時は、思い切って鳥の入水みたいにすーっと入って肩まで沈みます。じーっとしているうちに、水風呂の冷たい温度と自分の体温でからだにバリアみたいなものができて、そのうちからだがポカポカしてきます。そうなったら、水風呂から出るタイミングです。「日本サウナ・スパ協会」によると、今までの歴史で水風呂に入って心臓発作になって死んでしまった人はいないそうなので、安心して入ってくださいね。

Q6.「外気浴」のスペースがない時、岩田さんはどうされていますか? 

岩田 都内には外気浴がある施設が少ないため、お風呂のヘリに座ったり、椅子に腰かけて休みます。本来は風にあたりながら休憩するのがサウナの神髄でもあるので、私は外気浴のある施設がすごく好きですね。葉っぱがそよそよと揺れているのをみながら、だら~っと外を見ているととても気持ちが良いですよ。

――真冬に外気浴をすると、湯冷めしそうですが…。

岩田 真冬の場合は、外で涼んでいるだけで水風呂同様の効果がありますので、サウナにじっくり入った後、水風呂を2秒くらいにしておきます。外気で冷やせますので、水風呂に入らなくてもいいときもあります。気持ちよくなることが大切ですので、ルールにしばられることなく気温や体調によって調整してください。

Q7.サウナ前後の飲食で注意した方が良いことは?

岩田 サウナで全身の血の巡りが良くなると、食べ物を消化するために必要な血液が胃まで届かなくなり、消化不良を起こしてしまいます。それが原因で気持ちが悪くなることもあるため、満腹状態でサウナに入るのは避けたほうが良いと言われています。

サウナの後はご飯がものすごくおいしいんです。ごはんをおいしく食べられる方が健康だし、心も満たされて幸せだなって思います。

ルールにしばられなくても大丈夫。気持ちが良くなればそれが正解です。

サウナに入っている時間は洋服、スマホ、人間関係…、日々のわずらわしいことから解放されて「熱い」「冷たい」「気持ちいい~」を繰り返すだけ。サウナに行った後は、こころの毒素が洗い流されて気持ちが軽くなる。今日からサウナ生活、始めてみませんか?

\サウナ初心者におすすめの本/

 

 

※記事は2022年5月6日時点の情報です。

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