PAY払い、どれが得なの? スマホを使った“コード決済”の賢い使い方

「PayPay」や「LINE PAY」など、急速に広まっているスマホを使ったコード決済。いろいろな種類があってどれを使えばいいのか迷いますよね。そこで、コード決済の賢い利用法をファイナンシャルプランナーの風呂内(ふろうち) 亜矢さんに聞きました。

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この方にお聞きしました

風呂内 亜矢(ふろうち あや)さん

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。システムエンジニアとして勤務の後、不動産営業職を経て現職。キャッシュレス決済などを中心とした家計のシステム化・仕組化を得意としている。近著に「コツコツ続けてしっかり増やす! つみたてNISAの教科書(ナツメ社)」など、著書多数。YouTubeでは日記をベースにお金の情報を織り交ぜる「FUROUCHI vlog」を更新。FUROUCHI vlog:https://www.youtube.com/c/FUROUCHIvlog/

風呂内 亜矢(ふろうち あや)さん

「○○PAY」など、コード決済を利用するメリットは?

――コード決済の特徴や使い方のポイントを教えてください。

風呂内 スマホでコードを表示させたり読み取ったりして会計ができる決済システムで、専用アプリをダウンロードして利用します。支払いの際には、画面に「QRコード」や「バーコード」を表示させてレジで読み取ってもらう、指定のQRコードを読み込む、という2つの方法があります。

コード決済の一番の魅力はなんといっても手軽さ。クレジットカートのように財布から出す手間がないのでスピーディーですし、携帯ひとつで支払いができるは便利ですよね。コード決済は銀行口座やコンビニのATMなどからチャージすることができるので、クレジットカードを持っていなくてもキャッシュレスで支払いができるのも魅力だと思います。

――スマホ決済にはPASMOなどの「電子マネー」や「おサイフケータイ」など「タッチ式」もありますが、なぜ「コード決済」が話題になっているのでしょうか?

風呂内 電子マネーやおサイフケータイは読み取るための専用端末を導入する必要があり、個人店などでは難しいケースもありました。一方、コード決済はQRコードを消費者が読み取る方式なら専用の端末が必要ないので、小規模店舗やイベントなどでも導入しやすい。その結果、使えるシーンが増えて利便性も高くなっているのが広まっている要因のひとつでしょう。

さらに、ここ数年で「LINE Pay」や「楽天ペイ」「PayPay」「au PAY」など種類も増えて競争も激しくなっています。ポイント還元キャンペーンなども頻繁に行っていたので、利用者が急増しましたね。

「○○PAY」など、コード決済を利用するメリットは?

コード決済の選び方のポイントは?

――コード決済を選ぶ時のポイントはどんなところでしょうか

風呂内「利用できる店舗」「ポイント還元率」「支払方法」の3つをチェックして、使用している銀行口座やクレジットカード、買い物する店舗など、自分のライフスタイルに合っているかを確認するようにしましょう。

①利用できる店舗
全体数というより、自分の生活圏で使える店舗が多いかどうかが大切です。利用できるシーンが少なければポイントは貯まりませんよね。コンビニやカフェ、ドラッグストアなど頻繁に利用する店舗で扱っているかを確認します。

②ポイント還元率
利用条件によってポイント還元率も変わってきます。指定のクレジットカードを使用することで還元率が上がるものもあるので、事前にチェックすることが大切です。

③支払い方法
事前チャージが可能か、クレジットカードとの紐づけによるポイント加算、ポイントによる支払いなど、自分の使い方にあったものを選ぶのが重要です。

人気のコード決済別、5つの特徴を紹介

●PayPay
風呂内 ソフトバンクとヤフーによって設立された「PayPay株式会社」が提供するコード決済サービスです。使える店舗数は№1といっていいでしょう。キャッシュバックキャンペーンなども頻繁に行っていて時期によってはお得度が高いのも特徴です。現在は決済手数料(店舗負担)が無料ですが、2021年の10月以降は有料化する予定なので、導入店舗が減ってしまわないか、少し心配しています。

paypayの特徴

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●LINE Pay
風呂内 公式クレジットカード「Visa LINE Payクレジットカード」のポイント還元率の高さ(2022年4月末まで一律2.0%)が魅力。コード決済の部分は2022年4月に向けてPayPayに統合されていく方向性で検討が進んでいて、決済で貯まる「LINEポイント」は「PayPayボーナス」に交換することもできます。

LINE Payの特徴

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●楽天ペイ
風呂内 ポイント還元が「楽天ポイント」なので楽天ユーザーには使いやすいと思います。楽天ポイントでの支払いや、Suicaの発行・チャージも可能。Suicaにチャージしてポイントが貯められる手段が減ってきているので、その点も魅力です。楽天銀行口座や楽天カードとの相性がよく、楽天カードからチャージして支払いにあてた場合には合計1.5%分のポイントが付与されます。

楽天ペイの特徴

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●d払い
風呂内 ドコモが提供しているコード決済サービスで、ドコモユーザーであればネットショッピングなどの買い物も電話料金と合算して支払うこともできます。ほかの携帯会社と契約している人でも利用可能ですが、dカードとの相性などを考えると、ドコモユーザーのほうがおトクに使いやすくなっています。

d払いの特徴

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●au PAY
風呂内 au PAYはKDDI株式会社が提供するコード決済サービスで、auユーザーなら携帯電話料金と合算での支払いも可能です。ほかの携帯会社を利用している人でも利用でき、Pontaポイントとの連携も行っています。200円ごとに1Pontaポイントが加算され、貯まったポイントでの支払いできるのも魅力。楽天ペイとも連携しているため、楽天ペイの対象加盟店でも利用できます。

au PAYの特徴

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コード決済のセキュリティや補償は?

――コード決済はセキュリティが不安という人も多いと思いますが?

風呂内 サービス開始当初に不正アクセスなどが問題になったこともありましたが、現在は各社とも2要素認証などを導入してセキュリティを強化しています。利用者側も「スマホ端末に必ずロックをかける」「利用履歴を定期的にチェックする」「IDやパスワードの使いまわしはしない」などの心がけが必要です。

――スマホを紛失した時の補償などはあるのでしょうか?

風呂内 補償は各社によって補償額の上限など、対応が違うので事前に確認しておくようにしましょう。端末紛失時には一度アカウントを止めるなどの措置もとりたいですね。窓口などを予め確認しておくと安心感が高まります。端末にロックをかけておけば、不正に使われるリスクも低くなるので紛失による被害は抑えられると思います。

新しいスマホに変えても電話番号が変わらなければ、アカウントを引き続き使うことができる可能性はあります。チャージしておいた残高を無駄にしなくて済む場合もあるため、トラブルが起こった場合は早めに窓口に相談しましょう。

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コード決済はクレジットカード等との連携よってポイント還元率に大きな差がでるので使い方を工夫することがお得への近道。しっかり検討して自分に合ったコード決済サービスを選んでくださいね。


※記事の情報は2021年5月18日時点のものです。

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