お局だって悩んでいます。「私、恐いですか?」<オフィスの心理学④>

働く女子の周りで日々起こるトラブルや悩みに、アラサー行動心理士・長谷川ミナさんが答える「オフィスの心理学」。第4回目は部下から怖がられて悩んでいるアラサーOLからのご相談に応えます。

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第一印象が「怖い」。そのつもりはなくても、威圧感を与えているようで…

Q.この春、チームリーダーになり部下ができたのですが、怒っているつもりはないのに、怖がられているみたいなのです。特に男性にそのように思われているようで、以前、取引先の営業マンにも「●●さんって、怖い人だと思っていました」と言われたことも…。何か対処法はあるものなのでしょうか? (Mさん・32歳・ウェブディレクター)

「怖い」という印象を与えたことで、コミュニケーションが円滑に進まない。それが職場ともなれば、業務に支障が出ることもあります。第一印象は相手の記憶に鮮明に残りますから、できれば今後も「怖い人」というレッテルは貼られたくないですね。

「怖い」と思われてしまう、4つの原因

「優しい人」「苦手な人」などの印象は、様々な要因が絡み合って決まります。印象を決める要素は大きく分けて4つあります。

1.出身地や趣味などの「個人の特徴」
2.顔を合わせる回数などの「環境要因」
3.立場や状況などの「生理的覚醒」
4.表情や服装などの「外見要因」

恋人や友達間では「個人の特徴」が影響しやすいですが、職場では「環境要因」「生理的覚醒」「外見要因」に左右されやすい傾向があります。

「怖い」からの脱却! やわらかな印象にみせる3つの方法

「怖い」上司から「明るい」「話しかけやすい」上司へと印象を変える方法をご紹介します。

【その①】笑顔とランチミーティング
職場の「環境要因」としてありがちなのは、コミュニケーションが取りづらい状況になっていることです。部下や取引先と話す時間があまりない場合や、常に緊張感があって職場の空気が張り詰めているなど、職場環境によってMさんに話しかけづらい雰囲気になってしまっている場合があります。

その場合は、出勤したら明るい笑顔であいさつをする、息抜きにランチミーティングを開催するなどがおすすめです。ランチでのコミュニケーションは、心理学で「ランチョンテクニック」と言いますが、一緒に食事をすることで話しやすい環境になり、お互いに好感を持ちやすくなる効果があります。

【その②】相手の立場や状況にあわせて自分の振る舞いを変える
立場や状況などが要因となる「生理的覚醒」には、相手との関係性も影響します。例えば、取引先や部下など、Mさんがリードする立場である場合、部下は「怒られたらどうしよう」、取引先は「どうアプローチすべきだろう」などと、相手の顔色をうかがう機会が多くなります。それによって相手はMさんの言動に必要以上に振り回され、Mさんがなにげなく言った言葉でも「怖い人かも…」と思ってしまったのかもしれません。

また、男性と女性では考え方やとらえ方が違うため、男性が女性のMさんの本心をつかみきれていないケースもあります。このように立場や状況によって、Mさんのなにげない言動が過剰に受け取られてしまう場合もあるということを理解しておくだけでも、対応を変えるきっかけになります。

自分が人からどのようにみられているかを自身で観察する「セルフ・モニタリング」と言いますが、これができると相手に合わせて自分の言動を決められるようになります。「セルフ・モニタリング」をあまり行わない人は、周囲の反応に関心がなくなり、自分の感情を優先して行動するようになります。

どちらを取るかは時と場合にもよりますが、相手の立場を理解して適度なバランスで「セルフ・モニタリング」を取り入れていくことをおすすめします。

やわらかな印象にみせる方法


【その③】表情、口グセ、しぐさ、無意識、ファッションをポジティブ人格に!
印象を決める要素のうち、半数以上(55%)を占めるのが「外見要因」です。中でも、影響を与えやすいのは「表情」「口グセ」「しぐさ」「ファッション」です。それぞれについて、「怖い」印象になりがちな点について紹介します。

・相手をほめるとき、無表情になっていませんか?~表情編~
コミュニケーションを取るうえで、とても重要な意味を持ちます。言葉と表情が合わない、言動不一致な態度をとってしまうと、相手は混乱し、自分の本当の気持ちや感情を伝えることができません。

例えば、相手をほめる場面で笑顔がなく淡々とした様子だと「本心ではほめていないかも?」と疑われてしまいます。相手に軽く注意をしたつもりでも、無表情で伝えると「すごく怒らせてしまった」と受け取られてしまいます。人とのコミュニケーションは、言葉と表情が噛み合ってこそ、相手に真の気持ちが伝わりますので、言動一致を意識してみましょう。

・「別に~」を無意識に使っていませんか? ~口グセ編~
自分では気づいていなくても、人は何かしら口グセがあるものです。例えば「別に」という言葉は、怒りの感情から一方的に会話を終わらせたいと受け取られますし、「別にいいよ」などにはあいまいさが含まれるため、本心がつかみにくくなってしまいます。何気なく使っている口グセも、相手にとってネガティブな印象を持たせているかもしれません。自分の口グセにトゲがないか意識して、変えていくようにしましょう。

・パソコンの画面を見たまま会話をしていませんか? ~しぐさ編~
行動心理学的に見て、脚や腕を組む、手をポケットに隠す、話すときに上半身を引いてしまうなどの行為は「クローズドポジション」と言われており、拒絶する反応として相手にネガティブな印象にうつります。また、大事な話をしている時に、顔を見ずにパソコンの画面を見て作業しながら相槌をしている場合も同じです。逆に、腕を広げる、体を相手に向ける、きちんと顔を見るなどのように相手との距離を近づけようとする「オープンポジション」を取ることで、相手に安心感を与え、警戒心をゆるめることができます。

・黒い服は威圧感を与えてしまうことも? ~ファッション編~
服装にも無意識に人格を決定づける影響があります。中でも、色が与える心理効果は影響力大です。特に黒色は、相手に力強い印象や権威ある人というイメージを与える効果がありますので、怖い人に見られがちな人は、なるべく避けた方が無難です。逆に、赤や黄色などの暖色は、親しみやすさや話しやすい印象になりますので、取り入れてみるのもよいでしょう。

また、過剰な宝石や金属質のアクセサリーなども威圧感を与えてしまう要因になりますので、大きめのものは控えたほうがよいでしょう。普段のファッションでしたら自分の好きな色を取り入れても問題ないですが、職場においては初対面の人も多いので、「怖い人」とレッテルを貼られないように、シーンに合わせて変えていくことも大切です。

「ポジティブ」に心も行動も変えていきましょう!

職場では人からどう見られているのか気になるのは当然のこと。でも、相手にどう見られるかを気にし過ぎてしまうと、いつの間にか相手に過剰に合わせすぎて疲れてしいます。「怖がられないように」とネガティブに考えるのではなく、「相手と上手く関係性を築くために何をしたらよいか?」というように、自分にとってポジティブにとらえて過ごすようにしていきましょう!

※記事の情報は2019年8月13日時点のものです。