職場に潜む「モンスター新人」のトリセツ<オフィスの心理学②>

働く女子の周りで日々起こるトラブルや悩みに、アラサー行動心理士・長谷川ミナさんが答える「オフィスの心理学」。連載の2回目は「モンスター新人の対処法」です。

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「モンスター新人」の”キレるサイン”がわかっていたら…

Q.「入社して数か月の新入社員が、何の相談もなく、急に退職願いを出し、引き継ぎも満足にしないまま退職してしまいました。日々の作業に慣れることに懸命ながら、まじめに仕事に取り組んでいたように見えていたため、彼女が突然豹変した理由がわかりません。何らかのSOSを発していたのかもしれませんが、私はそれに気付けませんでした。今後のために、こういった新人が”キレる”サインを知っておきたいです」(Kさん・30歳・証券会社)

6月にもなると、新入研修などを終え、本格的に新人が実務をスタートさせる会社も多いでしょう。Kさんのように真面目に仕事に取り組んでいると思っていた新人が、実は「モンスター新人」だったというケースだったら…。しかも、理由も分からず突然退社を申し出られたら、モヤっとしますよね?
 

「モンスター新人」の見分け方とその対処法

毎年、ネットニュースや雑誌などでニュータイプの「モンスター新人」登場の記事を目にしますが、彼らに共通して言えることは、上下関係・ビジネスマナーなどの社会的常識を気にすることなく、自分を守る意識・自己主張を優先するなどの傾向があるということ。Kさんの後輩のように「突然会社を辞める」だけでなく「叱った翌日は会社に来ない」「平気で嘘をつく」「トイレと言って長時間サボる」「勤務中なのにTwitterを見続ける」「遅刻や早退の連絡をLINEで済ませる」など、何かとお騒がせな言動が問題視されています。

入社してわずか数カ月。まだ本性を現していない隠れ「モンスター新人」が、あなたの職場にも潜んでいるかもしれません。下記の3つのタイプの新人がいたら要注意! 「モンスター新人」たちが完全体になる前に、事前に対処をしておきましょう。

A.自信がない、ウソつきタイプ

自分に自信がなく、正しく対処・コミュニケーションができない。例えば、軽く注意した程度でも、このケースの人は強く非難されてしまったと捉えがち。自分の責任逃れと周りからの評価を気にするあまり、自己防衛として会社を休んでしまうことも多いです。また、周囲からの評価が下がることに過剰に怯え、自分を正当化するため、平然と嘘をつくことも!

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このタイプの場合、本人が直接、先輩や上司に自分の悩みを打ち明けることがない限り、問題が発覚しにくいです。上司や先輩の立場の人は、常に新人が自信を持てない悩みを抱えている場合があることを念頭に置いて、ミスをした時も一方的に非難するような言い方をしないように心がけましょう。よくある「自分が新人のころはこうだった!」などと価値観を押し付けるようなことは絶対にNG です。生まれ育った環境も時代も違うのですから、ここは一旦冷静に、相手を思いやる声掛けを行うことをおすすめします。

具体的には、「最近仕事がきちんと処理できていないみたいだけど大丈夫? 今後どうしたらよい方向に進むか一緒に取り組んでみようよ」などと前向きな会話をすることがポイントです。話してみると意外な点に気づいて解決策が見つかるかもしれません。先輩・上司としてはきちんとコミュニケーションを取れていたつもりでも、一方的に伝えるだけの会話になってしまっている場合もあります。それは新人からしたら自分の現状や問題点を話しにくい状況ですので、「ゆっくり話を聞く」する時間をつくりましょう。
 

B.自分大好き、自己チュータイプ

プライドが高く、誰かに従ったり指摘されるのを極端に嫌います。経験値がなく、失敗したこともないがゆえに、「自分はもっと評価されるべきだ」と思い込み、横柄な態度をとったり、仕事を軽視するなどの行動が見られます。例えば、先輩や上司の仕事のやり方を取引先にグチったり、体調不良で休んでいるはずなのにSNSに楽しそうに遊んでいる写真を投稿したり……。“自分は許される”とでも思っているのか、常識とはかけ離れた行動をすることがあります。自己評価が高いが故に、自分への批判は受け入れず、自分にとって都合のいい行動をとりがちです。

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このタイプは、会社のルールを都合よく解釈したり、悪用する危険もあるので注意が必要です。会社を辞めさせない方法というよりも、新人さんの行動が大きな問題に発展しないように事前の対策をしておきましょう。この「モンスター新人」に危うさを感じたら、新人に対して就業規則やルールなどを改めて提示し、それに反した場合は処罰対象になりうることを、事前に伝えておきましょう。非常識的な言い分にごまかされないように、周りの同僚は、その新人の問題言動をしっかりメモしておき、証拠を残しておくと安心です。
 

C.「どうせ」「別に」「でも」の言い訳タイプ

「軽い気持ちで就職してしまった」「本来自分が働きたい職場ではない」「親が就職先を決めた」などの理由で働く意義を見出せない。「どうせここで長く働くわけではないし…」が無意識的に自分の中での言い訳となり、嫌な仕事は拒否したり、すべてにおいて受け身になるタイプです。

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このタイプは、辞める原因が本人の問題である場合が多く、自分自身で解決していくしかありません。その際は、相手の問題だと割り切り、深く関わらないようにしましょう。

 

Kさんの後輩はどのタイプの「モンスター新人」?

Kさんの後輩の場合は、まじめに仕事に取り組んでいたということですから、彼女の中で抱えている内面的な問題があった可能性が高く、一時期は頑張ってみたけれど、自分が本来したい仕事ではなく意欲が出せなくなったCタイプかもしれません。このタイプの場合は本人にしか解決できません。「指導の仕方が間違っていたかも?」と必要以上に悩まないでくださいね。


※記事の情報は2019年6月10日時点のものです。