期限迫るお弁当が割引に! コンビニの「食品ロス削減」サービスを調べてみた。
コンビニで、お弁当やおにぎりが割引きで買える店が増えています。これは、コンビニ各社が行っている、食品ロス削減の取り組みによるもの。そこで、セブン、ローソン、ファミマが実施している、食品ロス削減のためのお得なサービスを調べてみました。
日本の「食品ロス」の量は年間600万トン!
「食品ロス」とは本来食べられるのに捨ててしまう食べ物のことで、日本でも毎年600万トンの食品ロスが発生しています。これは国民一人あたりにすると、毎日おにぎり1個(約130g)を捨てている計算に。2021年の東京オリンピックでも、およそ13万食の弁当などが食べられずに廃棄されていたことがわかり、大きな問題になりました。
もはや他人事ではない食品ロス問題。「スターバックス」が当日の各店舗の在庫状況に応じて、閉店3時間前から商品を20%オフで販売するなど、自治体や外食産業でも食品ロス削減のための活動が本格化しています。
コンビニのおにぎり、サンドイッチ、お弁当が割引になる理由
食品ロスの中には店頭に並ぶ前に廃棄されてしまう商品もあります。その原因のひとつになっているのが流通分野における「1/3ルール」と呼ばれる納品期限です。製造日から賞味期限を均等に3分割し、
●最初の3分の1は食品メーカーが小売に納品する「納品期限」
●次の3分の1が小売店が商品を店頭に並べておいてよい「販売期限」
●残りの3分の1は消費者がその商品をおいく食べる期間「賞味期限」
と3つの期限が設定され、販売期限までに売れなかった商品は、賞味期限が残っていても棚から撤去し、メーカーに返品するのが慣習化されていました。
「1/3ルール」は、新鮮な食品を消費者に届けるため、食品メーカー、卸、小売の間で取り決められた商慣習でしたが、食品ロス問題などから見直しを希望する声が上がっていました。そういった世論を受け、農林水産省は2012年に製造業・卸売業・小売業の話合いの場となる「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」を設置。「納品期限の緩和」「賞味期限表示の大括り化」といった商慣習見直しの取組みを推進しています。
そういった状況のなか、コンビニ各社も、食品ロス削減のために様々な実証実験を実施。食品ロス削減と顧客満足度を両立させるサービスを本格化させ、賞味期限の迫るおにぎりやサンドイッチなどを、値引きするサービスを全国的にスタートしています。
コンビニの「食品ロス削減」×お得なサービスを調査しました!
今回は、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンで行っている「食品ロス削減」のための値引きサービスをご紹介します。(2021年10月時点)
●ファミリーマート|販売期限の迫ったお弁当などが2割引き!
①エコ割
2021年7月から全国で実施されているのが、おにぎりやサンドイッチなど販売期限が数時間内に迫った商品が対象となる「エコ割」。1日に4回、消費期限を確認する時間があり、販売期限が迫った商品を対象に、2割程度の値引きシールが貼られます。
これまでは、加盟店独自の判断で値引き行っていたため、オペレーションが煩雑で値引き作業ができなかったお店もありましたが、本部主導で「エコ割」に取り組むことで、全国的に商品の値引きが可能になりました。
②容器の置き換えで消費期限の延長
「お母さん食堂」の商品の一部に通常のパッケージより鮮度を保つことが可能になる「ガス置換包装」を採用。これにより、美味しさをキープしながら、消費期限の3日間延長を実現。ふた部分をトップシール化することで、プラスチックゴミ削減も見込んでいます。
ファミリーマートの食品ロス削減への取り組み
「ファミマecoビジョン2050」
詳しくはこちら→
●セブン-イレブン|対象商品の購入でnanacoポイント5%付与
販売期限が近づいたおにぎりやパンなどの対象商品を、電子マネーnanacoで購入すると、税抜販売価格の5%分のボーナスポイントを付与。また、陳列棚の手前の商品を購入する「手前取り運動」を推進しています。
食品ロス削減のための「エシカルプロジェクト」
詳しくはこちら→
●ローソン|AIが値引きを推奨!
店舗ごとにAIで値引き額を算出・推奨する実証実験を開始。消費期限が短いため、食品ロスの発生リスクになりやすい、お弁当・おにぎり・寿司・調理パンなどのカテゴリーを対象に、店舗ごとにその日の在庫数などの状況に応じた値引き額をAIが推奨するというもの。
6月22日から東北の一部店舗で実験が開始されており、結果を踏まえて、2023年度中に全店での導入を目指しているそうです。
\こちらもチェック!/
蓋つき容器持参で「おでん」が割引に!
プラスチック削減を目的に始まったのが東京、埼玉、千葉を中心に実施されているのが「おでん鍋割引セール」。鍋や蓋つきの容器を持参すると、おでん5個を購入するごとに39円割引になるというもの。おでんが美味しくなるこれからの季節にはうれしいサービスですね。
コンビニ3社共通|「てまえどり」の推進
農林水産省が、商品棚の手前からの商品の購入を推奨する取り組み「てまえどり」が2021年6月からスタート。販売期限が過ぎて廃棄されることによる食品ロスを削減する効果が期待されています。現在、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップがこの取り組みに参加しています。
「てまえどり」を推奨するセブン-イレブンのおにぎり棚。
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身近なお店で始まっている食品ロスへの取り組み。お得なサービスを利用しつつ、食品ロスを考えるきっかけにもなりますよね。ぜひ活用してみてください。
※記事の情報は2021年10月15日時点のものです。
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