ダイエットのモチベーションを上げる体重計の計り方・選び方

体重計に乗るだけで減量ができる「計るだけダイエット」を成功させるための第一条件は、体重計に乗ることを楽しむこと。そこで、ダイエットのモチベーションが上がる体重計の計り方と選び方をパーソナルトレーナーの森貴行さんに教えていただきました。

メインビジュアル:ダイエットのモチベーションを上げる体重計の計り方・選び方

この方にお聞きしました

森 貴行さん

パーソナルトレーナー歴15年。痩せてもリバウンドを繰り返してしまう「効率悪い短期的なダイエット」に疑問を感じ、ダイエットしなくても良い人生を送れるよう「食習慣」と「適切な姿勢」の観点から「脱・ダイエット」の提案と指導を行っている。「ダイエット脱出コーチ もーりー」としてTwitterにて「ダイエットからの脱出」をテーマに太らないからだづくりを目指す方法を配信中。Twitterアカウント:@takayuu_fit

ダイエット脱出コーチ モーリー:パーソナルトレーナーの森 貴行さん

「計るだけダイエット」とは?

1日2回、体重を記録し、体重が増えた時は、その原因を記録しておく。「食事制限なし」「体重計に乗るだけなのに成功率アップ」「リバウンドしにくく、長続きしやすい」ことが実証されているダイエット方法です。もともとは糖尿病や高血圧症の患者の肥満を予防・改善するための「グラフ化体重日記」という行動療法がベースになっていて、「体重計でダイエット」とも呼ばれています。

計るだけダイエット
ストイックな食事制限なしのダイエット。本当に減量はできるの?

「体重計が怖い」を解消するには?

「オムロン ヘルスケア株式会社」の調査によると、BMI値が標準または肥満度1~4の30代~50代の女性のうち、体重計を持っているのに「計っていない」理由の1位は「現実逃避、体重計(または体組成計)に乗るのが怖いから」という結果に(下記グラフ参照)。

オムロン 体重測定を行っていない理由

オムロン ヘルスケア株式会社「体重測定に関する意識調査」データをもとに作成。
調査期間:2021年11月30日(火)~2021年12月3日(金)
https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2022/0209.html


この記事を書いている私、編集部Kもその一人。2022年1月の段階で、約2年、体重計に1度も乗っていませんでした。その理由は「間違いなく、太っている」とわかっていていため体重に乗るのが恐ろしかったからです。

--「体重計が怖い」を解消する方法ってあるのでしょうか?

 体重計に乗る本来の目的は、今の現実と向き合うことだと思うんです。「現実を知るため」というと厳しく聞こえるかもしれませんが、現実を知らなければ変化を起こしようがないですよね。「体重が増えてしまった」ことに一喜一憂するのではなく、「理想の体重は▲▲㎏」と目標を設定し、その目標を達成するために日々数字を追いかけることを楽しむ。体重計に乗ることを怖がるのではなく、変化を楽しむマインドにしていくことが大切です。

--「体重計に乗ることがストレスになる」という人もいます。

 食事や排便の量で1日に1kg程度の増減が出ることもあります。この数字の変化に一喜一憂してしまう人に「計るだけダイエット」は向いていません。「どうしても、怖い」という人は無理に体重計に乗らず、違うダイエット方法に切り替えたほうが良いと思います。

ダイエットのモチベーションが上がる体重計の計り方・選び方

本当に体重計に乗るだけで減量ができるのなら、体重計に乗ることが楽しくなる! ということで、「計るだけダイエット」の具体的な方法と成功するポイントについて、森さんに教えていただきました。

▼教えていただいた方法はこちら▼
「計るだけダイエット」の方法①毎日体重を計って、答え合わせをする
「計るだけダイエット」の方法②体重計・体組成計、どちらがおすすめ?
「計るだけダイエット」の方法③体重を計るベストなタイミングは?
「計るだけダイエット」の方法④データは1週間・1か月単位の傾向値を見る
「計るだけダイエット」の方法⑤リバウンドしにくい体重の減らし方
「計るだけダイエット」の方法⑥写真を撮って、モチベーションを上げる

「計るだけダイエット」の方法①毎日体重を計って、答え合わせをする

--「計るだけダイエット」を成功させる秘訣はありますか?

 クイズ形式にして体重を計ってみてください。方法は簡単です。その日の体重を想像しながら体重計に乗って、答え合わせをするだけです。

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昨日の朝は51kgだった。昨日は便がしっかり出たし、今朝は49.9kgぐらいになっているかも…。実際計ってみたら51kgだった。思っていたほど、体重が減っていないな。何故だろう…?
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というように、体重と自分の行動を照らしあわせて、毎日答え合わせをしていくと日々の行動でどの程度体重が増減するかがわかるようになってきます。ダイエットを成功させるためには、思っている以上に体重が増えていたり、極端に減っているという状態を少なくすることが大切です。食べる量を減らしているのに、体重が減らないのなら食習慣を見直す必要がありまし、食べすぎたかなと思った翌日に体重が変わっていなければ、罪悪感なく食事を楽しめるようになります。

「計るだけダイエット」の基本は、毎日体重を計ること。毎日計っていると、体重が増える原因に早く気付いてすぐ対応できますし、「太ったかも」という恐怖心が抑えられ、ダイエットに対する意識がさらに高まります。

「計るだけダイエット」の方法②体重計・体組成計、どちらがおすすめ?

--「計るだけダイエット」には、色々なデータが計れる体組成計を使った方が良いのでしょうか? 

 体重計、体組成計、どちらでも良いと思います。ただし、メーカーによって同じ条件下で計っても体重の数値が変わる場合がありますので、体重計を買い換えるときはその点を留意しておきましょう。

--体脂肪率を気にする人も多いですが、「体組成計の体脂肪率はあてにならない」という声もありますよね。

 体組成計は万能ではありません。体組成計で計れる体脂肪率は、からだの水分量や体温の変化によって電気の通りやすさに影響が出るため、計る時間や体温などによって数値が3%くらい変わることもあります。体脂肪率は目安として見ておくのはいいと思いますが、わずかな数字の変化に一喜一憂してしまう人が体脂肪率をチェックすると逆効果になることがありますので、状況によって変化する体脂肪率を気にするより、体重だけ毎日追いかけていく方が「計るだけダイエット」の成果は上がると思います。

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(タニタのウェブサイトより引用)

●計測値の変化要因
タニタの体組成計では、生体電気インピーダンス法を採用しているため、生活活動による体水分や体温の変動により電気の通りやすさに影響が出るため、測時間によって体組成計の計測値が変わることがあります。
https://www.tanita.co.jp/health/detail/38
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「計るだけダイエット」の方法③体重を計るベストなタイミングは?

--体重計は朝晩、1日2回乗った方が良いと言われていますが…。

 1日1回でも良いと思います。計るタイミングとして、僕がおすすめしているのは「朝イチ」ですね。体重を計るときは条件が一致していことが望ましいので、排便前、朝起きてすぐに計るのが良いと思っています。

条件がそろっていれば、入浴前や夜寝る前でも良いですが、時間帯、食後、排便後、着ているもの(パジャマなど)、これらを一定条件にしておかないと300g程度の誤差が出てしまいますので、変化しにくい条件で毎日計るのがベストです。

「計るだけダイエット」の方法④データは1週間・1か月単位の傾向値を見る

--私はスマホとデータを連携できる体組成計を使っているため、体重の変動グラフが確認できます。機能としては便利なのですが、グラフが100g刻みなため300g増えているだけで一気にモチベーションが下がってしまいます。

 毎日の食事量が違いますし、排便の量によっても体重は変化しますので体重の波ができるのは必然なんです。着実に減量できているかを判断するには、1週間、1か月単位の傾向値を見ていくことポイント。

まず、1週間のデータからは曜日によって体重が増えたり減ったりする体重増減のクセがわかってきます。次に1か月分のデータを見て、先月の平均体重よりも数字が落ちていたらダイエットに成功しているといえます。

\編集部Kの「計るだけダイエット」1週間のデータ/
土日に体重が増え、週の半ばに体重が減るという体重増減のクセがあることがわかり、土日はできるだけこまめに動こうというマインドに切り替わりました。

計るだけダイエット データ

「計るだけダイエット」の方法⑤リバウンドしにくい体重の減らし方

--糖質制限でダイエットに成功しても、その後リバウンドしてダイエット前より太ってしまったという失敗例をよく耳にします。リバウンドをしないためには、1か月でどの程度体重を落とすのが理想なのでしょうか?

  リバウンドしにくい体重の減らし方の目安は、1か月で体重の2~3%、最大でも5%が理想的です。リバウンドしている人は、5%以上減量しているケースが多いと思います。

●体重別 リバウンドしない1ヵ月で体重を落とすペース
・45kg→0.9~1.35kg
・50kg→1.0~1.5kg
・55kg→1.1~1.62kg
・60kg→1.2~1.8kg
・70kg→1.4~2.1kg
・80kg→1.6~2.4kg

「計るだけダイエット」の方法⑥写真を撮って、モチベーションを上げる

--体重計に乗るだけでなく、ダイエットのモチベーションを上げる方法があったら教えてください。

 ダイエットの目的は「体重を落としたい」と「ボディラインをきれいにしたい」のどちらか、またはその両方だと思います。ボディラインをきれいしたいのであれば、体重の変化を記録するだけでなく1週間単位で全身(前、後ろ、横)の写真を撮っておきます。

同じ条件下で1週間に1回撮影し、8週間で変化が見えてくるのが理想的。何かしら成果を実感できるように比較できるデータを複数用意しておけば、体重だけに振り回されずダイエットのモチベーションも上がります。

編集部員K

編集部員K

ボディラインをきれいにしたいなら、筋トレも必要!

ダイエットは継続することが大事。無理なく続けられることから始めましょう。

--私自身、食事制限や運動をせずに「計るだけダイエット」だけを1.5か月続けてみて、無理なく着実に減量できています。しばらくはこれを続けて、体重が減らなくなったらジムに通おうかと思っています。

 それでよいと思います。まずはできることから始めて、もうちょっと体重を落としたい、ボディラインを美しくしたいと思ったらスポーツジムなどに通い、プロの手を借りながら運動をする、食事を変えるというように段階的に進めていくので良いと思います。

最後に。編集部Kの「計るだけダイエット」1.5か月の成果は?!

最後に。編集部Kの「計るだけダイエット」1.5か月の成果は?!
※1メモリ、100gです。


1か月に1kg、5か月で5kgの減量を目標に2022年1月13日から「計るだけダイエット」をスタート。食事制限、運動などはせずに3月3日現在で約2㎏の減量に成功しています。

1週間の体重の傾向値を見て、土日に体重が増えることがわかったので、週末に腸が動くよう簡単なストレッチをしたり、ヨーグルトや海藻を食べたりして便秘解消の工夫をするようになりました。これまで「運動しなきゃ」というストレスを常に抱えていましたが、まずは週末だけウォーキングを始めることに…。このまま、しばらくは「計るだけダイエット」を続けていきます!


※記事の情報は2022年3月11日時点のものです。
 

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