注目すべきはミネラル! 10年後に差がつく水の飲み方・選び方

医学博士・藤田紘一郎先生の著書『体をつくる水・壊す水』を紐解くと、「水に無頓着な人は年齢より老けて見える」との気になるワードが。水の健康効果を理解することで、体調管理やアンチエイジングができちゃうのだとか。鍵はどうやら「ミネラル」のようです。

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日本のミネラルウォーターにはミネラルがあまり含まれていないものが多いってご存知ですか? ミネラル豊富な水を上手に使いこなすと、10年後の健康や美容に影響が…?

どんな水を選ぶとよい?

医学博士の立場から、多くの著書で健康に役立つさまざまな情報を発信している藤田紘一郎先生。『体をつくる水・壊す水』(ワニブックス)、『水の健康学』(新潮社)、『水の教科書』(海竜社)をはじめ、水と健康に関する著書も多数あり、日本における水研究の第一人者として知られています。

著書

そんな藤田先生が「体をつくる水」として推奨しているのは「ナチュラルミネラルウォーター」(=特定の水源から採水された地下水を原水とし、地層中のミネラルが溶け出している水のこと)です。

日本での基準では、ミネラルが含まれていなくてもミネラルウォーター類と扱われるのですが、欧州ではミネラルウォーターと銘打つ水にはいかなる殺菌処理もしてはいけないと義務付けられているとか。そもそも殺菌が必要な水源は、ミネラルウォーターの水源としては認められないのだそうです。加熱や消毒で水は活性を失うと考え、「非加熱」の「ナチュラルミネラルウォーター」を選ぶことを藤田先生は推奨しています。

ミネラルウォーターの分類

また、水はカルシウムとマグネシウムの含有量が、少ないものは「軟水」、多いものは「硬水」と分類されます。カルシウムやマグネシウムを多く含む地層を、長い期間にわたって浸透した水は硬度が高くなります。

欧州のミネラルウォーターに硬度が高い水が多いのは、石灰岩層のなだらかな土地をゆっくりと時間をかけて流れ、浸透したため。起伏に富んだ地形で雨が多く、水の流れが激しい日本では、水がミネラルを吸収する時間が短いため、軟水が多いのだそうです。日本人に脳梗塞や心筋梗塞が多いのは、日本の水にカルシウムがほとんど含まれていないから、という説もあるとか。体質改善や健康効果を期待するなら、ミネラル豊富な硬水を選ぶのがおすすめです。

ミネラル豊富な水の効能とは?

では、ミネラル豊富な水にはどんな健康効果があるのでしょうか? 藤田先生の著書から引用してご紹介します。

リラックスする女性

ストレス
カルシウムやマグネシウムには心をリラックスさせて安定させる作用があります。そのためミネラルが不足しバランスが崩れると心は不安定になると考えられます。

肌を美しく保つ
カルシウムは、細胞の活動に不可欠なミネラルです。肌細胞の生まれ変わりも、カルシウムが深く関与しています。天然水に含まれているカルシウムなどのミネラルはイオン化されており粒子が非常に細かくなっているため吸収率が良いという利点もあります。

腸活
カルシウムには腸の蠕動運動を活発化する働きが、マグネシウムには大便を軟らかくする作用があり、どちらも腸の働きを活発にさせます。便秘気味のときは、目覚めの直後にマグネシウム豊富な冷たい硬水を飲むのがおすすめです。

ダイエット
水を飲むだけでエネルギー消費量がアップすることは、ドイツ栄養研究所により科学的に実証済み。カルシウムには脂肪燃焼を促進したり、体内への脂肪吸収を抑えるなどの働きが。マグネシウムを補うと、ミネラル不足による食欲の暴走を抑える効果も期待できます。

冷え
イオン化されたカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが新陳代謝を促すうえ、血流も高めてくれます。

むくみ
意外にもむくみの最大の原因は体内の水分不足。体内の水分量が減ると脳が指令を出し、水分を溜め込むよう働くのです。カルシウムを含む水は血管をやわらかくして血行を促進するため、より効果が期待できます。

心筋梗塞
2004年に、カルシウムとマグネシウムを豊富に含む水が心筋梗塞を予防するという疫学的データを、フィンランド国立公衆衛生研究所のM.カルボネン博士のチームが報告しています。

効果的な水の飲み方は?

ノートPCと水

藤田先生の著書では効果的な水の飲み方についても、多数アドバイスされています。

目覚めの一杯は健康のバロメーター
朝の1杯は胃腸を適度に刺激し、老廃物を押し出す効果が。おいしく感じられればOKですが、コップ1杯の水でも持て余してしまう感じであれば、疲労がたまっているのかも。

少しずつ飲む
コップ半分~1杯ずつ、チビリチビリ飲むこと。水を体にゆっくりと浸透させることができます。

空腹時にこまめに飲む
水は空腹時がもっとも効率よく吸収されます。また、お腹がすいたと感じたら、ゆっくりとコップ1杯の水を。満腹中枢を刺激して食欲を抑えられるので、ダイエット効果も。

入浴前の水で発汗を促進
入浴による代謝効率をさらに高めるには、入浴前にコップ1杯の水を。代謝が高まり、いい汗を流すことができます。

就寝前のコップ一杯の水は「宝水」
睡眠中、体は体温を調節するためにコップ1杯もの汗をかいています。睡眠中、水不足になって、血液がドロドロになるのを防ぐためにも、就寝前にコップ1杯の水を飲んでおくことが大事です。また、眠りに入る前に飲む水は、脳に集まっていた血液を胃腸に導き、緊張感をほぐすことで眠りやすくする効果も。

ミネラル豊富な水の健康効果、いかがでしたか? 天然水に含まれるカルシウムやマグネシウムは、イオン化されているため体内への吸収効率がよい、という特長もあるのだそう。健康を意識したミネラルウォーターライフをはじめてみませんか。

出典:
藤田紘一郎・著「体をつくる水、壊す水」(ワニブックス)
藤田紘一郎・著「水の教科書」(海竜社)
藤田紘一郎・監修「病気が治る!水飲み健康法」(宝島社)


藤田 絋一郎
1939年生まれ。東京医科歯科大学医学部を卒業し、東京大学大学院医学系研究科博士課程を修了。東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学と熱帯医学。著書に『万病を防ぐ「水」の飲み方 選び方』(講談社+α文庫)、『知られざる水の「超」能力』(講談社+α新書)、『水の健康学』( 新潮選書) 、『ミネラルウォーターの処方箋』(日東書院)などがある。

※記事の情報は2020年10月26日時点のものです。

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