カイロ、温熱シートを貼る場所はココ! 病気にならない「温活」習慣

肩こりや腰痛、さらに花粉症も「冷え」によって症状が重くなる傾向があるといわれています。そこで、カイロや温熱シートを活用した冷え予防と冷えによる症状を改善する方法を医学博士の福田千晶先生に教えていただきました。

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2月末~3月は「我慢冷え」に注意!

立春(2月4日ごろ)を過ぎると、暦の上では春。この「春」という言葉がクセもので、2月末~3月まだまだ寒い時期だというのに、季節を先取りした春物の装いで出かけ、全身が冷えている女性が増えます。

「冷えは万病のもと!」です。

女性は「冷え」が原因で生理痛がひどくなる場合もありますから、体を温め、「冷え」による症状の悪化を防ぐ「温活」を積極的に行っていきましょう。

「冷え」で花粉症の症状が重くなり、インフルエンザにかかりやすくなる?

肩こり、腰痛、肩こりから起こる頭痛、便秘など「冷え」が原因で起こる症状はさまざまですが、花粉症を悪化させる一因になっているとも言われています。

「花粉症の場合、カラダに入ってきた花粉を洗い流すために涙や鼻水が出たり、カラダから不要物を排除しようとしてくしゃみが出ます。カラダが冷えると免疫力が低下するため、花粉を体外に追い出そうとする力が強く働き、鼻水の量やくしゃみの回数が増えてしまう、という説もあります」 (福田先生)

カラダを温めたからといって花粉症は改善しませんが、「冷え」を感じている人ほど花粉症の症状がひどくなっている傾向があるそうです。

花粉症同様、2月はインフルエンザが猛威を振るう時期です。免疫力が低下すると、インフルエンザにもかかりやすくなりますので、インフルエンザ予防のためにも「温活」が必要です。

「冷え」で花粉症の症状が重くなり、インフルエンザにかかりやすくなる?

症状別:使い捨てカイロ、温熱シートを貼る位置は?

使い捨てカイロと温熱シートでは使う目的が変わります。使い捨てカイロは「冷えたカラダを温める」、または「冷えを予防する」ためのもの。温熱シートは「冷えによって発症した症状を改善する」ために使います。
※実際に使用する際は各商品の「使用に関する注意」を確認して、正しい使い方をしてください。

種類 使用目的 貼り方について 最高温度
使い捨てカイロ カラダを温める。 肌に直接貼ったり、薄いキャミソール1枚の上から貼るのは低温やけどの恐れがあるのでNG。 平均53℃。商品によっては64℃と高温になるものもある。
温熱シート 患部の症状を改善する。 肌に直接貼るタイプや下着の上から貼るタイプがある。 40℃程度。最高温度は人が快適と思える温度に設定されている。

福田先生に、捨てカイロと温熱シートの使い方を症状別に教えていただきました。

●全身の冷え(花粉症の症状悪化やインフルエンザ予防)
▶手や足の裏
手は毛細血管が網目状になっているので、手のひらから多くの熱を得て、全身に温かい血液を戻してくれます。

▶手首や足首
血液は全身を巡っています。手首や足首の血液を温めると指先が温まり、指先で温まった血液が全身を流れます。手首や足首は太い血管が皮膚の表面近くを通っていますので、ここを温めると効率よく全身が温まります。
 

全身の冷え(花粉症の症状悪化やインフルエンザ予防)


●肩こり
▶肩甲骨の間
心臓から出てきた血液が大動脈を通って出てくるのが肩甲骨の間です。心臓から出た血液を温めることで、効率よく上半身が温まり、肩こりが改善します。肩甲骨用の温熱シートはありませんので、貼るタイプのカイロを使いましょう。

▶首の付け根
肌に直接貼れる温熱シートがおすすめです。貼るカイロの場合、薄い下着の上に貼るのでは低温やけどをしやすく、貼りにくい場所でもあります。

肩こり


●胃腸の不調、便秘
▶胃はみぞおちのあたり
▶腸の不調・便秘はへその下あたり
へその下はスラックスかスカートで密閉している場合が多く、貼るタイプのカイロの場合、温かくなりすぎることがあります。また、皮膚が柔らかい部位のため、低温やけどへの配慮も必要です。

カイロを使う場合は、下着や洋服などを数枚重ねた上からカイロを貼り、熱くなったらはがす、というように調整をしてください。薄いキャミソール1枚の上にカイロを貼るのは危険です。※下着や洋服での調整には個人差があります。

胃腸の不調、便秘


●生理痛・腰痛・足のだるさ
▶腰
腰に貼ることで下半身を温められます。

生理痛・腰痛・足のだるさ


\女性は、洋服にひびかない「温熱シート」がおすすめ!/

貼るタイプのカイロの場合、キャミソール1枚の上からだと低温やけどをしやすく、キャミソール+ニットの上くらいから貼った方が良いのですが、職場でニットの上にカイロを貼っているのを見られるのは恥ずかしいですよね?

温熱シートは直接肌に貼れたり、下着の上から貼れて洋服への影響がありません。「40℃程度」で高温になりませんし、ややぬるめのお風呂と同じくらいで人がリラックスできる温度に設定されています。温熱シートを貼ることで、肩こりや生理痛などの症状の改善が期待できるだけでなく、リラックス効果もあります。
 

福田先生に聞きました「カイロ&温熱シートの活用法は?」

●寒い日に、ゴルフなど屋外で過ごす時
「ものすごく寒い日にゴルフをする時は、肩甲骨の間、腰、お腹に使い捨てカイロを貼ります。その場合、温度が高くなりすぎないようになるべく小さいサイズを選んでいます」

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●電車移動などでの冷え予防に
「すごく寒い土地に行く場合に重宝しているのが、靴用のカイロです。講演の仕事で雪国に行くときや電車移動の間に足を冷やさないようにするために使っています。全身が冷えてしまった時に、これを靴に入れておくと快適です」

 

 

寒い日に、温めて血行を促進したとき
「場所によって室内の設定温度が低い場合があり、寒さを感じる場合は40℃くらいの温熱シートを使います。冬は首元が隠れる洋服を着ることが多いので、肩に貼るタイプを使います。首元が出る洋服を着る場合は、お腹用を使います。痩せ型の女性は、夏でもお腹用を使っている人が多いですよ」

 

 

 

 

「冷え」を改善して幸せになるためのアドバイス

最後に、「冷え」で病気にならないために福田先生からアドバイスをいただきました。

1.2月、3月は春色の厚手の洋服で季節を先取り
薄着になっても、カラダを冷やさない工夫しましょう。季節を先取りしたおしゃれを楽しむなら、生地は厚いままで洋服の色を春色にしてみてはいかがでしょうか? 厚手のニットをパステルカラーや白に買えるだけで印象は変わります。

2.ストールを1枚、オフィスに常備しておきましょう
ストールは首に巻けるし、肩にかけて二の腕をおおうことができます。二の腕は熱が逃げやすい部位ですから、ここを温めておくと冷えは改善します。寒いときはストールの内側に使い捨てカイロを貼ると簡易こたつにもなります。

「冷え」が原因で、乾燥し化粧のノリが悪くなることもあります。健康に美しく過ごすためにもカイロや温熱シートを使った「冷え」への対策をして、幸せな毎日を過ごしたいですね。
 

この方にお聞きしました

福田千晶さん

医学博士・健康アドバイザー・ウーマンウエルネス研究会研究員。日本医師会認定産業医・日本医師会認定健康スポーツ医。1988年に慶應義塾大学医学部卒業。医師として東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、健康アドバイザーとして執筆、講演、テレビ・ラジオ番組への出演などで活動。2007年より、クリニックでの診療や企業の産業医も担当。

福田千晶さん

※記事の情報は2020年1月29日時点のものです。

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