美爪に必要な栄養は? 健康的な爪に欠かせない内側からのケア方法をご紹介します

指先まできれいに見せたい、という方に欠かせない「爪」のお手入れ。そのままでも美しく、しかもネイルカラーも映えるようなベースを作るためには、内側からのケアも欠かせません。今回はそんな健康で丈夫な爪になるために必要な栄養や、上手な栄養の摂り方を管理栄養士の森由香子先生に教えていただきました。

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美を意識する人にとって、顔以外でお手入れが欠かせないパーツのひとつに「指先」があるのではないでしょうか。

特に爪はおしゃれを楽しむのにも向いていて、マニュキュアやジェルネイルをきれいに施せばそれだけで気分が上がり、ときに華やかな気持ちにさせてくれます。また、表面がなめらかでつやがある薄ピンク色の健康的な爪は、何も塗らなくとも手全体を美しく印象付けてくれます。

今回はそんな指先の印象を左右する「爪」をテーマにお話しします。

爪は健康のバロメーター

そもそも爪とは、活動を終えた細胞が変化したものです。そのため切っても痛みを感じません。そう聞くと不要なものでは?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、爪は指先を彩るためだけのパーツではなく、健康のバロメーターと言われることがあります。

たとえば、爪の先がスプーンのように反り返っていれば貧血や甲状腺機能障害の可能性が。二枚爪になりやすい方は栄養不足、強い縦線があると血行不良、表面に斑点がみられると肝臓病、先端が膨らんで太鼓のバチのようになっている方は心臓病や呼吸器系の病気などが疑われます。

このように、爪は体からの警告を発信することがあるのです。おそらく多くの方が、1日の中で顔を見るよりも爪を目にする時間の方が長いですよね。そのため爪に起こる変化は小さなものであっても気づきやすいと言えるでしょう。

爪の根本が白っぽくなるのはなぜ?

爪の下部にある半月の形をした「爪半月」という部分

爪は乾いているように見えますが、10~15%の水分が含まれていて、その水分量は季節により変化をします。お肌と同様に冬は乾燥しやすく、水分量が少なくなりがちです。特に爪先は水分不足の影響を受けやすい部分なので、乾燥すると折れたり二枚爪になったりしやすくなります。先ほど二枚爪になる場合は栄養不足が疑われることをお話ししましたが、同時に水分が不足している場合も考えられます。

また爪の下部には半月の形をした「爪半月」という部分があり、ここは水分量が高いと乳白色に見えます。しかし爪半月は20歳前後の多くの方にはありますが、加齢とともにしだいに消えていくことがわかっています。

爪は一日どれくらい伸びるの?

爪の主成分は髪と同じケラチンというたんぱく質で、成人の場合は1日約0.11mm、1ヶ月で3~5mmほど伸びると言われています。また、爪全体が生え替わるまでの期間は4~5ヶ月と考えられています。

爪が伸びる速度が一番速くなるのは夏です。しかし爪半月と同様に、伸びる速度は加齢の影響を受けやすく、年齢を重ねるとともに遅くなりがちです。

丈夫な爪を育てるのに大切なことは?

爪をよく見ると表面がピンク色に見えますね。これは血管が透けて見えるためです。

血管を流れる血液は、細胞へ栄養を運んでいます。ストレスや体調不良で爪を作る部分(爪母)に栄養が十分に行かないと成長が上手くいかず、爪の厚みが薄くなり爪になったときに横線を作ってしまうことがあります。

こうならないためにも、爪の成長を促し丈夫な爪をつくるには、食事からの栄養補給が必要で、特に毎食欠かさず良質のたんぱく質食品を摂ることが大切です。もちろんそれ以外にも、たんぱく質を代謝するビタミン、ミネラルも欠かせません。

爪の話に限りませんが、結局は1日3食、主食、主菜、副菜の組み合わせでバランスのとれた食事を心掛けることが、健やかな身体づくりへの近道となります。

美爪に必要な栄養の効果的な摂り方は?

ここからは主菜に焦点を当ててお話したいと思います。

主菜にあたる良質のたんぱく質食品には、ご存じの通り、肉、魚、卵といった動物性食品と大豆・大豆製品などの植物性食品があります。

近年、主菜の構成は、動物性食品と植物性食品、両方のたんぱく質食品を摂ることがすすめられるようになりました。その理由は、消化時間の違いによるものです。植物性食品の方は動物性食品に比べ、食物繊維などがゆっくりと消化されるため、同時に両方摂ることでたんぱく質の補給が長時間に渡って行われると考えられるからです。

動物性食品と植物性食品を組み合わせた献立は、例えば、卵料理と納豆、肉料理と枝豆入りごはん、魚料理と煮豆腐などが挙げられます。1品料理なら麻婆豆腐や肉豆腐、豆腐入りハンバーグ、豆腐の卵とじなどです。

麻婆豆腐

毎食は難しいと感じた方は、1日のうち1食でもよいので意識的に組み合わせて摂取してみましょう。また多くの方は朝食でのたんぱく質の摂取量が少ないと言われていますので、朝食時に実践してみることをおすすめします。それでもハードルが高いと思う場合は、動物性たんぱく質食品ばかりの方は豆乳を、植物性たんぱく質食品ばかりの方は、牛乳や乳製品を追加するところからはじめてみましょう。

丈夫で美しい自爪には外側からのケアも内側からのケアも大切

先ほどお伝えしたたんぱく質など栄養摂取により爪を丈夫にする方法は、マニュキュアやジェルネイルなどで傷ついてしまった爪に対しては効果を十分に発揮できません。爪の表面にダメージがある場合は、クリームを塗るなど外側からのケアが必要です。また深刻なダメージの場合は皮膚科などに相談しましょう。

健康的な爪づくりは、食事で内側からのケア、クリームで外側からのケアと両方からのアプローチが大切になります。特に内側からのケアはあまり気にしていなかったという方は、動物性と植物性のたんぱく質食品の組み合わせを意識的に行って丈夫な爪を手に入れ、指先のおしゃれを楽しんでいきましょう。

参考図書:からだ大全(NHK出版)、スキンケア最前線(メディカルレビュー社)、美容のヒフ科学(南山堂)


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※記事の情報は2024年3月15日時点のものです。

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