市販で買える「ハイドロキノン」7種類、おすすめはどれ？ 美容のプロが使い比べてみました！

シミ改善や美白ケアに効果があると話題の「ハイドロキノン」ですが、実際どのような肌悩みに効果があるのでしょうか？　

今回はハイドロキノンの美白効果と選び方、使用時の注意点など、ハイドロキノンを使う際の気になるポイントを美容のプロに教えていただきます。また、市販で購入できるハイドロキノン7商品を実際に使ってもらい、おすすめの商品を教えていただきました。

――美白効果が高い成分として有名な「ハイドロキノン」ですが、そもそもどんな成分なのでしょうか？

石井　ハイドロキノンとは、ヒドロキノンという成分を含んだ薬のことで、たとえばイチゴや麦芽、コーヒー、紅茶など天然のものにも含まれている美白効果のある成分です。ハイドロキノンは、シミやくすみの原因であるメラニン色素を合成する酵素の働きを弱め、メラニン色素を作るメラノサイトという細胞の活性を阻止する働きがあります。

少し前までは皮膚科など病院で処方してもらわないと手に入れられない薬でしたが、2001年の規制緩和によって、今はドラッグストアやネット通販でも手軽に購入できるようになり、美容目的で使う人も増えているようです。

――ハイドロキノンは具体的にどんな肌悩みに効果があるのでしょうか？

石井　シミやそばかす、くすみの予防と改善、美白ケアに効果があります。

また一口にシミと言っても種類は様々あって、ニキビ跡やアトビー性皮膚炎による色素沈着、肝斑（かんぱん）など皮膚の浅い部分でメラニン色素が異常繁殖したようなシミには効果を発揮しますが、太田母斑など皮膚の深いところ（真皮層）にできるシミには残念ながら効果がありません。

――ハイドロキノン商品には「純ハイドロキノン」と「安定型ハイドロキノン」の2種類がありますが、どんな違いがあるのでしょうか？

石井　純ハイドロキノンは、成分の濃度が安定型ハイドロキノンより数倍高いのですが、刺激が強く、肌に浸透しづらいという弱点があります。

対して安定型ハイドロキノンは、純ハイドロキノンの配合率を下げて他の美容成分を配合しているため、美白効果はやや弱まるものの、肌への刺激が少ないのでより安心して使えるというメリットがあります。ハイドロキノンを使い慣れていない人や肌トラブルが不安な人は、刺激の低い「安定型ハイドロキノン」から試してみることをおすすめします。

ーー今回比較していただく商品には、ローションタイプ・クリームタイプ・固形タイプと色々なタイプがあったのですが、種類によって効果や特徴に違いはありますか？

石井　ローションタイプは顔全体に塗布して使用できるものなので、ハイドロキノンの濃度自体はクリームタイプほど高くないものが多いです。敏感肌で時間をかけて肌をきれいにしていきたいという方に特におすすめです。

クリームタイプは伸びがよく、保湿性もあるのが特徴です。悩みの箇所が部分的な人は、気になる部分を集中的にケアできるのでおすすめです。

固形タイプはこの3種類の中ではもっともハイドロキノンの濃度が低く刺激性も低いと思います。シミ、そばかす予防として継続的に使い続けたい人や肌が弱い人、乾燥肌の人にも安心して使用していただけます。

✓短期間で使い切る

✓日焼け止めを必ず塗る

✓保湿はしっかり入念に！

✓肌トラブルが起きたら使用を止めて病院へ

ドラッグストアやバラエティショップなどの市販で購入できるハイドロキノン商品7点を石井さんに使用してもらい、それぞれの使い心地や効果の違いを比較していただきました。

▼比較するのは、この7商品
①旭研究所｜業務用ハイドロキノン
②旭研究所｜ハイドロキノン石けん
③デルミサ｜スキンフェイドクリームミニ
④デルミサ｜スキンフェイドローションV
⑤アンドシーム｜ホワイトラッシュHQクリーム
⑥アバンタイム｜トーンショットクリーム
⑦ブレーンコスモス｜ハイドロナイト

■DATA
価格：1,738円（税込）
タイプ：ローション
内容量：10g
濃度：純ハイドロキノン5％

■成分

■使用方法（メーカー推奨）
●洗顔後、気になる部分に塗布してください。その後、いつも通りのお手入れをしてください。1,2滴のごくわずかな量で充分です。
●塗布後紫外線に当たらないように、夜ご使用いただくのがおすすめです。

＼使ってみました！／
石井　匂いは無臭でさっぱりとした使い心地なので、ストレスなく毎日使えそうです。液体が元々ややくすんだ茶色なので、酸化したときに色の変化がわかりにくそうなのが少し気になりました。

純ハイドロキノン5％とローションタイプの中では濃度が一番高いので、全顔にバシャバシャ使うというよりは、気になる箇所に数滴さっと伸ばして使うのがよさそうです。

■DATA
価格：1,100円（税込）
タイプ：固形石鹸
内容量：80g
濃度：不明

■成分

■使用方法（メーカー推奨）
●手をぬるま湯でぬらし石けんを十分に泡立ててください。その後、泡で肌を包み込むようにしてやさしく洗います。
●肌をごしごしこすらないようにしてください。

＼使ってみました！／
石井　広範囲に使う前提のものなので、おそらく成分濃度は高くはないと思いますが、全身の美白ケアとして使うには割といいなと思いました。成分を見ても肌に負担のかかるものはなさそうですし、泡立ちもいいので、シミや黒ずみなど身体の気になる場所に直接クルクルと滑らせてスクラブのような使い方もいいと思います。洗い上がりは少しつっぱる感じがあるので、保湿は忘れずに。

■DATA
価格：1,980円（税込）
タイプ：クリーム
内容量：25g
濃度：純ハイドロキノン2％

■成分

■使用方法（メーカー推奨）
●洗顔した後、化粧水、美容液、フェイドクリームの手順で、気になる部分または顔全体に塗布してください。
●日中お使いの場合は、日焼け止めやファンデーションなどの紫外線防止効果のある製品と併用してください。

＼使ってみました！／
石井　クリーミーで伸びがよく、柔らかい使い心地です。純ハイドロキノンですが濃度は2％と低めなので、全顔に伸ばして使っても問題なさそうです。オイルも配合されているので、乾燥が気になる方にもおすすめです。

ただ、塗ってすぐはハイドロキノン特有の薬剤っぽい匂いが少しするので、人によっては気になるかもしれません。

■DATA
価格：1,540円（税込）
タイプ：ローション
内容量：100ml
濃度：純ハイドロキノン配合

■成分

■使用方法（メーカー推奨）
●洗顔のあと、コットンに500円玉くらいをふくませて、気になる部分にパッティングします。

＼使ってみました！／
石井　ハイドロキノンとビタミンCが配合されているので、集中ケアというよりも日々の美白ケアに向いていますね。ハイドロキノン製品の割に容量たっぷりなので、化粧水としてバシャバシャ使いたいです。コットンに含ませて簡易パックとして使うのもよさそうです。

■DATA
価格：2,640円（税込）
タイプ：クリーム
内容量：15g
濃度：純ハイドロキノン5％

■成分

■使用方法（メーカー推奨）
●化粧水や乳液などスキンケアの最後にご使用ください。
●適量（米粒一粒程度）手に取り、気になる箇所にピンポイントでご使用ください。
●お顔全体へのご使用はおやめください。
●塗布後、紫外線に当たらないよう、夜にご使用いただくのがおすすめです。翌朝、しっかりと洗い流してください。
※日中にご使用する際は必ずUVケアを行ってください。

＼使ってみました！／
石井　今回の中で唯一香りつきのハイドロキノンクリームです。ロイヤルアップルの香りとありますが、有効成分の匂いも強めなので、匂いに敏感な人はちょっと苦手かも…。

クリーム自体はみずみずしく伸びがいいので使いやすいです。ハイドロキノン濃度が高いので、美白目的で顔全体に使うような方法はNG！　シミやニキビ跡などピンポイントでケアしたい人におすすめです。

■DATA
価格：3,300円（税込）
タイプ：クリーム
内容量：5g
濃度：安定型ハイドロキノン5％

■成分

■使用方法（メーカー推奨）
●夜の洗顔後にいつものスキンケア(化粧水・乳液等)で肌を整えたあと、気になる部分に重ねて叩くようにやさしくなじませてください。
●ハイドロキノンを塗布した肌は紫外線の影響を受けやすい状態になっていますので、日中の使用は控えてください。

＼使ってみました！／
石井　内容量が少なめですが、商品名の通り気になる箇所に少量をピンポイントで塗るものなので、1ヶ月で使い切るのにちょうどよさそうです。安定型ハイドロキノンですが成分濃度が5％と高めなので、肌悩みへのアプローチと安全性の高さがバランスよく、初めての人でも使いやすいと思います。有効成分の匂いが控えめなのも高ポイントでした。

■DATA
価格：2,090円（税込）
タイプ：クリーム
内容量：6g
濃度： 安定型ハイドロキノン5％

■成分

■使用方法（メーカー推奨）
●洗顔後、化粧水などで肌を整えた後、適量を手に取り、気になる部分に塗布してください。

＼使ってみました！／
石井　和漢エキスが10種類配合された安定型ハイドロキノンクリームです。ハイドロキノン特有の匂いはせず、薬草のような香りがほのかにします。使い心地はしっとり系。内容量が少なめなので、1ヶ月で安全に使い切るのにちょうどいいサイズ感です。

シミそばかすの集中ケアに
アバンタイム トーンショットクリーム

石井　シミやそばかすに悩んでいて、ハイドロキノンを初めて使ってみたい、という人でしたらアバンタイムの「トーンショットクリーム」がおすすめだと感じました。安定型ハイドロキノンクリームなので、比較的刺激が少なく安心して使っていただけますし、安定型の中でもハイドロキノン濃度が高いので、肌悩みを集中的にケアしたいという希望も叶えられると思います。

肌全体のトーンアップに
デルミサ スキンフェイドローション

石井　肌全体のトーンアップが目的であれば、デルミサの「スキンフェイドローション」がおすすめです。シミそばかすなど部分的な色素沈着に対しては効果を感じにくいかもしれませんが、その分刺激性が低く気軽に取り入れやすいので、安全に日常使いできるハイドロキノン商品という意味でいいのではないでしょうか。

いかかでしたか？　ハイドロキノンは「肌の漂白剤」と言われるほど美白効果が期待できる成分ですが、効果が高い分肌トラブルが起こる危険性もあるので、気をつけて使わなければいけません。自分の肌悩みにあったハイドロキノンを正しく使って、この夏は美肌を目指してみませんか？

※記事の情報は2021年6月8日時点のものです。
※商品の価格は店頭で購入した際の税込価格です。
※各製品の評価は個人の見解によるものです。

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